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2005年03月06日

【テレビ】 F1GP 2005年シーズン開幕戦 オーストラリアGP

 またしてもいろいろとルールが変わってしまいました。理屈の上だけで見れば面白くなりそうと言えなくもないレギュレーションでしたが、蓋を開けてみたらもうなにがなにやら。

 
●予選タイムは土曜日と日曜午前の2ヒート合算

 予選セッションが今までの土曜日2回制から土曜と日曜に1回づつとなり、順位決定は2回目のタイムではなく両方の合算となりました。土曜日の予選を見る意味が半減しちゃったうえに、地上波では決勝前のダイジェストでしか順位決定の模様を見られなくなってしまってトホホな感じに。

 不確定要素を多くする事で決勝グリッド順の混乱を狙ったと言う事なんでしょうし、そういう意味では今回のような番狂わせ的なグリッドになるのは意図どおりなんでしょうけど、それならくじ引きでもやってりゃいいじゃんってレベルの話のような・・・。まだ前回のレースの逆順にするくらいのほうが気が利いてるってもんです。


●空力削減とタイヤ交換禁止

 主に安全性への配慮として最高速度を引き下げる目的で、ダウンフォースを得るための空力設計の制限が更にきつくなり、同時に決勝セッション中の任意のタイヤ交換が禁止になりました。これにより、ダウンフォースがないうえにタイヤを労わらなきゃならないからブレーキング競争が出来ない、速いドライバーが後ろに回っても結局抜きあいにならない、という状況に・・・。

 あれだけ速さの違うアロンソがビルヌーブ相手に四苦八苦していつまでも抜けなかったのなんてこの最たるものでしょう。性能差を詰めるためのレギュレーションなら意味はわかるんですが、性能差があっても抜けなくなるって、何なんですかね。予選に不確定要素増やしてグリッドがシャッフルされてもこれじゃあ逆に誰が凄いのか、どのチームが今イケているのか、がさっぱりわからんですよ。

 ピットワークでタイヤ交換がなくなるのも寂しくなるなあと思ってましたが、これに関しては、タイヤの内圧変更という新しいジョブが発生していて意外に面白かったり。というか不思議な光景でした。


●2ラウンド1エンジン制

 高騰する開発費に伴うチーム感の貧富の差を埋めるため(?)、フリーや予選を含め、2ラウンド全てのセッションを1台のエンジンで戦わなければならなくなりました。これがどう影響するかはまだ実感としてはわからない部分ですが、単純に耐久性を競うという点では緊張感が増して良い気はします。本来消耗品であるはずのタイヤを持たせろってのとは意味が異なると思いますし。

 しかしセッション中にエンジンに故障が発生した場合は次の出走に向けての乗せ換えOKなので、ポイント圏外でレースを終えてしまいそうだと言う時に意図的にリタイヤするとエンジン交換ができてしまうと言う問題が。実際今回のレースでもM.シューマッハが終盤で(直前に接触があったとはいえ)普通に走れてたのにピットに引っ込んでしまいましたし。BAR組もピット終了かけたのかな?


●というわけで

 私は80年代後半の、ハイテク化が始まったあたりからのF1しか知りませんので、人も技術もあらゆる手管を尽くして貪欲に速さを競う事こそがF1だと思っていたのですが、最近のF1はレギュレーションの複雑化のせいで何を競っているのかが非常に細分化されて散漫になってきてる気がします。細分化されただけならまだしも、上に書いたようにそれらの要素がコンフリクト起こして打ち消し合ってる部分すらあるという・・・。一つ一つの要素を追っていければそれぞれ面白い部分はあるにしても、肝心のレース自体の魅力はどうなのよ、と。

 乱暴な言い方をしてしまえば、見て楽しければレギュレーションなんてどうなっててもいいんですけど、今のF1には「世界最高峰のレース」としてのカリスマ性とか華やかさとかが感じられなくなってきてると思いますね。90年代後半に流れがハイテク禁止に向かって以降は、安全性を確保しつつチーム間格差を減らして「ドライバーが競い合うレース」を目指した方向にレギュレーションが作られていたはずなんですが、なんだかもう何を狙ってレギュレーション決めてるんだかわけわかりませんし。

 理屈で面白くしようとしてもそう簡単には行かないって事なんでしょう。やっぱりシンプルなルールの下でやらなきゃ熱いレースにはならないのかもしれませんね。GPWCに期待しちゃおうかな。

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